新潟県上越市には、知る人ぞ知る「くびき牛(交雑種)」「くびき和牛(純血種)」という肉牛が生育されています。米どころならではの良質な水と稲わらが手に入る上越市は、肉牛も元気に育ちやすく、しっかりとした肉が生産されます。
「くびき牛」「くびき和牛」は、一時期生産者が極端に減った時期もありましたが、何とか後世につなげようと、生産者や食肉事業者が熱心に生産・流通に取り組んでいます。
今回は、ふるさと納税の肉のお礼品を多数試食されている肉の専門家 肉バカ小池克臣さんに上越市の「くびき牛」「くびき和牛」について解説いただくとともに、主なお礼品をご紹介します。ぜひとも応援ください。
専門家プロフィール
肉バカ 小池克臣(こいけかつおみ)- 横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉の道へ。
- 焼肉、すき焼き、ステーキなどの牛肉料理全般を愛し、和牛の生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける。
- 著書には、「肉ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める肉の教養」などがあり、現在はYouTube 「肉バカの和牛大学」にて美味しい焼肉店などの情報や美味しく焼くための技術を公開している。
米どころの恵まれた環境と生産者の思いが育む口溶けの良い脂・コクのある赤身
上越市は米どころ・酒どころでもあり、元々、良い水と稲わらに恵まれています。良い肉牛が育つには水と餌の質が大事になりますが、良質な水と稲わらで育てられる上越市の環境は、良い肉をつくる上で恵まれていると言えるでしょう。
現在の牛肉の良し悪しには地域性があまりなく、大まかにはどこも同じような牛肉を生産しているという状況です。そんな中、上越市の肉には、「米どころの良い環境で育った牛」というしっかりとしたストーリーがあります。
「くびき和牛」の霜降りには脂っぽさがなく、口溶けが良くてキレが良いです。また、赤身にもコクがあります。
一時期生産者が極端に減ってしまった地域独自のブランド牛「くびき和牛」を復活させようとする生産者や事業者もおり、その思いには熱いものがあります。牛肉の生産には、味そのものよりも経済効率の方が追求される傾向にありますが、その熱意は味にも影響を与えていることでしょう。
ただ、全国的にはまだまだ知られていないブランドであるということが課題でもあります。知られることで生産者の励みになり、さらなる味を追求していくことにもつながっていくので、ぜひ皆さんにも応援いただけたらと思います。